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電力業界社員が不定期に情報発信

電力会社の発電所の仕事内容

 電力会社ってどんな仕事をしているかイメージできますでしょうか?多くの方は、電柱に上っているんでしょ?とか電気作って各家庭に送っているんでしょ?っていうイメージではないでしょうか?

 今日は電力会社の仕事内容について紹介したいと思います。

 職種は大きく分けて、事務系と技術系に分かれます。事務系の中では、総務、経理、資材、法務、企画、営業等に分かれ、技術系の中には発電所、配電、送電、給電、変電の各分野の技術者になるとともに、各部門の中にさらに、電気系、計装系、機械系、化学系、土木系、建築系、情報通信系、原子力系の技術分野があります。

 私は幾種もある職種のうち発電所の電気系技術者として働いています。仕事の内容は、発電所の電気設備の保全管理や、点検工事、設備の更新工事の発注がメインです。

「え?自分たちで点検しているんじゃないの?」って思われるかもしれませんが、設備の点検には熟練の技術が必要なため、点検ができる業者や設備を収めたメーカーに工事を発注して、工事の管理をしています。当然、巡視パトロールは電力会社社員の仕事であり、パトロールで不具合を見つけたり、不具合の兆候を見つけることで、今後の点検計画の策定や工事の予算取りを行うことがメインの仕事になります。

 次に発電所では他にどんな仕事があるかご紹介します。発電所の制御室で発電をコントロールしている運転員も電力会社社員の大きな仕事です。運転員は制御室で発電のコントロールをしたり、現場でバルブの開閉をしたり、非常設備の定期運転を行ったりします。

 発電所を運転する運転員と、発電所の設備を保守管理する技術員が発電所での技術者の大きな仕事になります。

 他にも、発電所の建物、構造物の管理をしている土木建築系部署、発電所から出る排水を管理している化学系部署などがあります。当然、タービンや蒸気配管の管理は機械系部署の技術員が仕事をしています。

 発電所の中でも水力発電所はほとんどの事業所が無人化されており、最新の火力発電所では運転員が2人だけいればよいなど、技術の発展とともに人員は削減されつつあります。また運転管理や保守管理業務をグループ会社に委託したりして、コスト削減を図っている場合もあります。

 人員が削減されつつある中で、発電所の中で一番人員が多いのが原子力発電所です。火力発電所に比べて設備が膨大であり、14カ月ごとに定期点検が法律で義務付けられているため、火力発電所のように原発が止まっているから定期点検を延期するこが許されません。

 定期点検時は点検結果の国への報告や点検中の国の現地検査などが行われます。小さなトラブルでも自治体や国への報告が求められ、技術員の本業である運転と保守管理だけでなく、国や自治体へ提出する資料等の作成に日々追われています。

 原子力部門は上記の理由から人員が不足がちであり、僻地でさらに激務であることから、内定者からは敬遠されています。原子力配属希望であれば、内定を取りやすいかもしれません。ちなみに、私の入社時の同期で原子力配属が決まった人の8割は落ち込んでいました。

 以上紹介したように、電力会社では電気系出身者ばかりが働いているのではなく、様々な専門分野を持った技術者が働いています。 電気とは程遠い学生も一度、電力会社の説明を聞いてみてはどうでしょうか? ただし、電気系以外は採用人数が少ないので狭き門であることには変わりありません。