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電力業界社員が不定期に情報発信

偏差値50以下の理系大学生の就職先と就職先での扱い。

 偏差値50付近の大学と言えば、産近甲龍日東駒専を思い浮かべると思います。これらの大学はFランクという分類にはなりませんが、大手企業への就職は非常に難しい学歴となります。
 では、どういうところに就職しているかというと中堅のメーカーの総合職の他、○○エンジニアリングや○○ソフトウェア、○○プラント設計(○○には大手企業の名前)といった大手企業の子会社の技術職へ就職することが多いです。
 大手で就職することができたとしても、地域限定採用や、プロフェッショナル職など、現場業務や本社の下請けのような業務をすることが多く、生涯賃金は総合職社員に比べて著しく低く設定されていたりします。
 私が今の就職先の電力会社の2次試験を受ける時に、たまたま同じ試験を受けに来ていた近畿大学の学生と雑談しました。彼は、就職のために電験3種を取ったから、専門試験は余裕だったと言っていましたが、彼が3次試験に現れることはありませんでした。なぜなら、会社は最初から近畿大学生を採用するつもりが無かったからです。私は試験勉強なんてSPIくらいしか対策してませんでしたから、専門試験なんて散々な結果でしたが、リクルーターから心配ないと言われ、3次試験に進むことができました。専門試験なんてただの茶番で、低学歴の学生を振るい落とすための口実に過ぎなかったとその時初めて知りました。案の定、内定者懇親会では同期の大卒の最低学歴はMARCH、関関同立でした。
 近畿大学の彼は、本命はJR東海のプロフェッショナル職でリニアの開発をしたいと豪語していました。JRのプロフェッショナル職は幅広い大学から大量採用しているので、難易度は簡単な方だと思いますが、プロフェッショナル職でリニアの開発ができるわけないので、企業分析を誤った彼はJR東海の内定さえも取れなかったのではないかと推測されます。
 さて、話は逸れてしまいましたが、中堅メーカー技術系総合職と、大手グループ会社(大手現場職、地域限定職含む)の技術系職の大きな違いを説明したいと思います。中堅メーカー技術系総合職はちゃん大卒として扱われます。大手グループ会社(大手現場職、地域限定職含む)は、大卒も高専卒も高卒も同じ扱いを受けます。違うのは大卒の初任給が高いくらいです。大手企業から独立的な扱いを受けている優良子会社は違うかもしれませんが、親会社の下請けをしている子会社は大卒を特別扱いされていないと思います。これはどういうことかというと、学歴関係なく実力で出世していく世界だということ。JRで言うと、助役や駅長、プラントだと当直長や現場所長、メーカーだと課長、部長など。
 勤め先のグループ会社(プラントメンテナンス会社)で見たのは、仕事ができない大卒が定年間際で担当課長という役職となって定年退職していったが、全体の工事や予算のとりまとめをしきっていた当時の高専卒の課長が役員まで上り詰めたことですね。親会社側では絶対ありえない人事だと思いました。
 私が言いたいのは、最近はどこでもいいからとりあえず大学に行けば良いと安易に考えている高校生が多いこと、まとそれを良しとする親が多いことを危惧しています。やはりそれが奨学金の返済困難の問題にもつながるし、大学中退、大学卒業後の就職難、離職率の高さにも繋がていると思います。Fランク大学を卒業して、現場職や子会社に入社すると、高卒と同じ待遇で高卒と同じ仕事をしなければならず、大学4年間の授業料や下宿費用を払う分だけコスパが悪いです。ただ、転職という点では大卒はある程度有利だと思いますのでそこは補足しておきます。
 何かの学問を学びたい。勉学や資格取得に励んで希望の会社に就職したいという強い志があるなら大学へ行くべきですが、勉強が嫌いで今すぐ働きたいと考えているなら、高卒で就職の道を選ぶのも悪くないと思います。
 すべてが私の言っている通りというわけではないので、就職活動する際は、就職先の職場の大卒、高卒の割合、どういう人が出世しているかも会社説明会や懇談会等で確認してみるのも良いと思います。