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電力業界社員が不定期に情報発信

電力会社グループのインターネット料金が安い理由

 インターネットといえば、NTTグループが提供するフレッツ光が有名ですが、フレッツ光はNTTという巨大企業による独占を防止するために、プロバイダーは別契約となっていますね。光回線料金とプロバイダー料金を合わせて5000円~6000円というのが相場だと思います。プロバイダー契約が必要なのはダイヤルアップ接続、フレッツADSL時代も同様でした。
 そんな中、プロバイダー契約が不要のインターネット格安サービスとして、電力系インターネットが登場します。電力系光通信の相場は約4000円前後ではないかと思います。私の記憶では20年ほど前、電力系ADSLとして、これは各安だということですぐ乗り換えた記憶があります。
 関西電力系はeo光ケイオプティコム)
 中国電力系はMEGAEGG(エネルギアコミュニケーションズ)
 四国電力系はPikara(ST Net)
電力系が安いのには理由があります。大きくは以下の2つが理由です。
・事業所間を通信するためのインフラ設備が元々整っていたため
・既存の電力会社所有の配電線用電柱にケーブルを敷設することができるため
変電所間、変電所~発電所間では送電線によって送電していますが、送電線で雷による地絡事故やは破損事故が発生すれば、それを保護リレーで検知して変電所や発電所側の遮断器を開放します。また開放した後、自動閉路して自動復旧をしたり、自動復旧できない場合に再度遮断器の開放を行ったりします。この信号のやり取りを変電所間や変電所~発電所間で光通信ケーブル等を用いて通信を行っています。私が学生時代にある変電所を見学したときに、昭和60年製の名板がついた光通信装置を見た記憶があります。
また、日本の電柱の1/3をNTTが、2/3を電力会社が保有しているため、既存の電柱に光ケーブルを敷設することが可能です。
ADSL時代は電力通信網までの回線はNTTのメタル回線を使用していたため、NTTの回線使用料が請求されていましたが、光になってからは独自の光ケーブルを敷設しているため、NTT回線使用料はかかりません。また、NTTの光回線と電力の光回線では信号の種類が異なります。よって、電力系では、市販のルーターではIPv6機能を使用することはできませんので注意が必要です。
余談ですが、東京電力系はKDDIauひかりとなります。
最近は不動産会社と電力系通信会社が共同で電気代もインターネット代もお得なマンションの売り出しに熱心ですね。家庭より安い事業用電力を通信会社が購入し、マンション住民に販売する仕組みです。マンション系のインターネットは、世の中のネット環境が向上しても、なかなかバージョンアップされないところが難点ですね。私も以前、一人暮らししていたときに糞遅い同軸ケーブル回線がなかなかバージョンアップされずイライラした記憶があります。