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電力業界社員が不定期に情報発信

電柱だらけの日本。埋設化されない理由。

 日本は諸外国に比べて、電線の埋設化率が極端に低く時々景観が悪いなどと言われることがあります。都市部では一部埋設化されていますが、未だに圧倒的な電柱の多さです。
 埋設化されない理由はただ一つ
 電柱に比べてコストが高いから!
 です。
 どれくらい高いかというと、電柱を1本建てるコストは約30万~50万円です。これを100m敷設した場合、電線や変圧器の費用も含めて約200万~300万円くらいです。一方、100mを単純に土を掘って、電気術基準に基づき地下1.2m以下に管路を作って埋めた場合、2000万円ほどかかります。建築の世界では、電柱を建てるより、土を掘る方がめちゃめちゃ高いです。(※これは私が発電所構内で電線の埋設工事をした時の参考金額です。)
 国土交通省の資料によれば、道路下に共同管路を作る場合、1kmあたりのコストは5.3億円だそうです。これはただの電線管路だけではなく、ガス管や通信ケーブルも敷設できる洞道を作るためだとい思われます。
 日本のすべての電線を埋設化すれば、間違いなく新電力会社が電力会社へ払う電線使用量が跳ね上がるでしょうね。