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電力業界社員が不定期に情報発信

電力会社には高卒、高専卒でも就職できる

 大企業や優良企業に就職するには偏差値の高い大学に行かなければならないという神話が世間では語り継がれていますが、実は大企業、優良企業では大卒以上に高卒、高専卒を多数採用しています。
〇電力会社に高卒、高専卒で入社するには?
 電力会社では高卒で技術職であれば工業高校(工業学科)、事務職ならば商業高校(商業学科)を卒業する必要があります。高専卒では技術職として採用の道があります。機械、電気、土木建築とそれぞれの学科から、電力会社のそれぞれに専門分野に応じた部署に配属されます。
 電力会社の採用人数のうち、高卒、高専卒の割合は、各社によってマチマチですが、大卒1/2、高卒1/4、高専卒1/4程度でしょうか。さらに、高卒、高専卒で内定をもらうには、電力会社の管轄エリアの学校に在籍していて学校推薦の求人が来ている必要があります。
 ひと昔前までは電力会社は超大手であり雇用、収入も安定していることから人気が高く、クラスで成績トップの人しか入社することができませんでしたが、最近の電力会社不人気の影響で、必ずしもクラスでTOPでなくても入社できる傾向がありますが、それはあくまで成績TOPの人が電力会社への就職を希望しなかった場合に限ります。
〇大卒と、高卒、高専卒の仕事内容の違いは?
 大卒は入社後は現場で経験を重ねますが、その後は本店等で全体の方針決定や予算のとりまとめ、国への審査対応などのデスクワークが中心となり、将来管理職や経営者になるためのステップを歩んでいきます。
 一方、高卒、高専卒は現場作業(設備の点検、パトロール、プラント監視)が主な業務で、将来は現場の責任者としてのステップを歩んでいきます。高卒事務職は営業所での窓口・お客様対応業務、経理伝票の処理、建物管理などの業務が主であり出世も望めません。
〇給与、福利厚生の違いは?
 給与水準は大卒、高専卒、高卒の順に高くなっています。私の会社では勤続約15年の高卒と勤続8年の大卒の基本給が同じくらいです。
給与を比較するとこんな感じです。
勤続15年高卒=勤続12年高専卒=勤続10年大卒=勤続8年院卒
福利厚生については、学歴関係なく全員同じです。
〇転勤、勤務地の違いは?
 大卒は将来管理職としてのキャリアを歩んでいくため、転勤が多く、グループ会社や社団法人等への出向も多いです。一方、高卒や高専卒は地元に近い事業所や支店に勤務になることが多く、事業所内の配属変更はあるものの、転勤を伴う異動は少ない傾向があります。内定時に希望配属先や希望勤務地の調査がありますが、特に希望がなければ優先的に原子力部門配属させられるため、要注意です。なぜなら、原子力部門は永遠に僻地勤務で仕事内容もきつく、超不人気だからです。離職率も他の部門に比べて高い傾向があります。
〇結局、どうなの?
 大卒で中小企業に就職するよりは、生涯年収も福利厚生の面で高卒、高専卒で電力会社への入社の方が断然有利です。電力会社に限らず、インフラ系の大企業全般に有利といえます。工業高校出身の後輩に、どういうところから求人が来ているのか聞いたところ、インフラ系では電力会社以外にJR各社や東京メトロ、自動車業界ではトヨタ、ホンダ、デンソー等があったそうです。同じ大企業内にいれば大卒との格差は大きいですが、他の中小企業と比較すると全然マシレベルだということを知っていた方が良いです。